飲食店の全席禁煙化で売上は減るのか増えるのか

禁煙マーク

2020年の東京オリンピックに向けて、東京都が屋内原則禁煙の条例案を18年2~3月頃に都議会に提出する動きが少し前から話題になっています。

飲食店の全席禁煙化については賛否両論あるかと思いますが、とくに居酒屋、バー、カフェなど、タバコと関係性の強い業態のお店は悩みのタネですよね。

喫煙・禁煙に関する今後の飲食業界の流れについて考えてみたいと思います。

大手外食チェーン店は禁煙に動き出している

当サイトは小さな飲食店の経営者の方に情報発信をしているので、ちょっと括りが違うと思いますが、マクドナルドやケンタッキー、スターバックス、ロイヤルホスト、サイゼリヤ、デニーズなどのファーストフードやファミリーレストランはすでに禁煙に動き出しています。

居酒屋では串カツ田中が週末に全席禁煙にしたり、ワタミが一部店舗を試験的に全席禁煙にしているようです。

僕の知り合いが経営しているお店は、お酒が楽しめるカジュアルフレンチ(ビストロ)やカジュアルイタリアンでもファミリー層が多い場合は、条例の話が出る前からすでに店内全席禁煙のお店が多いですね。小さな飲食店だからというか、分煙スペースを設けるのが難しいのも理由だと思います。

個人経営の飲食店では、すでに喫煙者のファンがついている場合、店内全席禁煙にするのはなかなか難しいと思いますが、トイレくらいの小さな喫煙ルームを作ったり、お店の外の端の方に灰皿を置いて店内全席禁煙にしたお店もあります。

喫煙者人口の減少

これから市場の中心になる若年層の喫煙率が減少しているようなので、時代の流れを意識する必要があるかもしれません。

現状は店内を喫煙から禁煙にすることで一時的に売上が減る可能性もありますが、これから先を見越して考えると、将来的には売上が増加する見込みがあって大手チェーン店も動いているようです。

そもそも来年の都議会に原則店内禁煙の条例案が提出されれば、その後に全国に広がる可能性も高いと思うので、どの道対策が必要になってくるかもしれません。ちなみに神奈川県や兵庫県では大型施設や飲食店に対して喫煙規制の条例が定められています。

東京都の条例案は神奈川県や兵庫県のそれより厳しく、「全従業員が同意」などの条件を満たす面積30平方メートル以下のバーやスナックなどを除いて原則禁煙に規制される内容です。

受動喫煙を嫌うのはお客様だけではない

これも大きな問題になってくると思います。「禁煙にしてほしいのはお客様だけではなく、パートやアルバイトも含む従業員の要望でもある」ということです。

今の時代はスタッフ募集の求人サイトにも「禁煙」の項目があるんですよね。実は僕、最近まで知りませんでした。

確かにカウンター席など正面でずっとタバコを吸われていると、働いている間ずっと受動喫煙しているわけですから、タバコ嫌いな人には耐えられないですよね。タバコを吸わないスタッフは吸い殻の片付けも嫌がりますし。

人手不足が慢性化している飲食業界なので「喫煙」による人材確保の壁があるとしたら、若いコをアルバイトで採用したい居酒屋などは今後の経営課題になってくると思います。

まとめ

実は自分が現在禁煙してタバコは吸わなくなったので、だいぶ「飲食店は禁煙にした方が良いのでは?」という雰囲気が出てしまいましたが、これだけの大手外食チェーン店が動いているので、禁煙化はマーケティングとしては売上が増加すると考えて間違いないと思います。

ただ、小さな飲食店は「他と同じではない店づくり」が魅力でもありますので、禁煙化の流れの中でも喫煙OKのお店は、売上が減ったら困るから喫煙OKにしてるのではなく、「愛煙家をたくさん集めてやる!」ぐらいの気持ちで売上を伸ばすことはできると思います。