ホームページに掲載する内容は、お店側が理想とするお客様のイメージを明確にしながら決めていきます。
お店が満席になったときに、どんなお客様で席がいっぱいになって、どういうシチュエーションで利用されている状況が経営者自身の目指すお店なのか。
独立当初のコンセプトの再確認作業のようなものですね。
これは何が言いたいかと言うと、仮に努力した結果、新規集客に成功して来店客が増えても、お店が求めるものと、お客様が求めるものが一致していなければ、その状態が長続きしていかない可能性があるんですね。(小さな店になればなるほど顕著に表れると思います。)
ですので、あらかじめお店側が呼び込みたいお客様のタイプを明確にした方が、その後のリピート集客にも楽につなげていくことができます。(営業時間が長いお店の場合は時間帯によって客層をわけるケースもありますが、ここではスタッフの人数が少ない小さな飲食店のお話をさせて頂きます。)
必要な8項目
以下のそれぞれについて注意点を挙げたいと思います。
- 店名
- アイキャッチ画像(料理や店内写真)
- 住所(地図)
- 連絡先(予約・問い合わせ先)
- お店のコンセプト
- メニュー(写真付き)
- お店の特徴(利用シチュエーション)
- 経営者やシェフのプロフィール
店名
店名はわかりやすさを重視しましょう。おしゃれにこだわったお店に多いと思いますが、たまにロゴマーク表記のみのお店がありますよね。あれはお客様にとっては見にくいので、小さくてもいいので読み仮名がわかるようにした方が良いと思います。
SEO(検索上位表示対策)の観点でも注意が必要です。店名の部分はホームページのタイトルの部分にあたると思いますが、店舗ビジネスでは「地域(駅名)+ジャンル(○○料理など)+店舗名」が基本です。店名だけでは検索されにくい上に、検索されても何のお店だかわからずにクリックしてもらえない可能性もあります。
英語なのかフランス語なのかわからない横文字を店名に使っている場合は、カタカナ表記も必要ですね。文字数が長ければ長いほど店名で検索してもらいにくくなります。
アイキャッチ画像
ホームページ制作会社の人はヘッダー画像と呼んでいると思いますが、アイキャッチの方が一般的にわかりやすいかな?と思ってあえてこう書きました。
ホームページに関わらず、チラシでもリーフレットでも手に取った瞬間にパッと目に入る一番大きな画像のことですね。
この画像でお店の印象がほとんど決まりますので、お店の特徴やウリがわかるようなものを用意しましょう。例えば看板メニューやスペシャリテがあればその料理写真を、内装のデザインに凝ったお店であれば店内写真ですね。写真を加工できればそれぞれを組み合わせた画像にするのも良いと思います。
この写真(加工した画像)のクオリティは、ホームページ全体の印象、つまりお店全体の印象を決めると言っても過言ではありません。クオリティに自信がなければプロのカメラマンにお願いして撮影してもらいましょう。
住所・地図
住所の記載についてはとくに注意点はないと思いますが、地図の書き方は注意が必要です。
ホームページにはGoogleマップを組み込むのが一番簡単でわかりやすくてベストだと思います。
お店の名刺やショップカードの裏の略地図を利用している人がいますが、そういう人は駅から徒歩で来店する場合と家から車で来店する場合を意識した地図を作りましょう。
バーや居酒屋だから車で来るお客様はいないとは限りません。アルコールを飲まない人が運転役で一緒に来たり、運転代行を使ったりするケースもあります。
主要な道路名や、駅近であれば商店街名、交差点の目印になる建物の名前などが地図に載っているとお客様がスムーズにお店に辿り着けます。お店の混雑時に道がわからずに何度も電話のやりとりをするのはお互いにストレスになるので避けたいですね。
連絡先・予約や問い合わせ先
電話番号以外にも、できれば24時間対応できる予約フォームがあるとお客様にとって便利ですね。お仕事をしている人は、意外と予約の電話をかける時間に困ったりします。
予約フォームの設置に関して、席数の少ないお店では、予約フォームと実際のリアルタイムで来店されたお客様との入れ違いや、無断キャンセルを心配される経営者の方が多いと思いますが、折り返しの確認電話を必須条件にしたり、フォームからの予約は前日までの受付に制限したりすれば、問題は起こりにくいと思います。
電話予約のみの受付の場合、お客様は営業時間に電話をかけようと思いますが、逆に店内が混雑していて対応できなかったり、お客様側も気を遣われたりします。仕込み時間中にも電話対応できるのであれば、営業時間と予約受付時間を別に記載するとお互いにメリットがあります。
電話番号のみではなく、あらかじめ注意事項も記載しておくと良いですね。
お店のコンセプト
お客様はお店の存在を知った次の瞬間に、「このお店はどんな(コンセプトの)店だろう?」という疑問が浮かびます。まずはできるだけ簡潔にお店の雰囲気をイメージできるキャッチコピーを考え、そのあとに経営者の創業の想いを語りましょう。
ここではお店をOPENするまでの経緯や、今まで修業時代に培ってきたもの、これからどんなお店にしていきたいか、共感してくれる人を呼び込んでファン(仲間)になってもらうつもりで書くと良いと思います。
ホームページを見た人が他の友人や知人に話したくなるような「店主のこだわり」があればベストですね。読んだ本人が行きたくなるだけではなく、誰かを誘いたくなるようなコンセプトを掲載できれば良いと思います。
メニュー
看板メニューと写真を載せて、お客様のイメージを膨らませてあげましょう。その他、アラカルト主体のメニュー構成であれば、全体の価格帯がわかりやすいようにバランスを考えて掲載する順番など意識すると親切ですよね。
可能であればグランドメニューなど、しばらく変更しないメニューはそれぞれ料理の説明を丁寧に加えてあげると興味をもった人には喜ばれます。SEOの観点でもプラスの効果になると思います。
コース料理がメインのメニュー構成であれば、ただ単にコースを並べるのではなく、違いや特徴、おすすめなども含めて記載すると良いと思います。お客様も悩まずに済んで、お店側としても事前におすすめをアピールできます。
メニューの書き方(掲載の仕方)については客単価UPやオペレーションの改善など様々な面で影響力があるので、詳細はまた別の記事で書きたいと思います。
お店の特徴(利用シチュエーション)
特徴というより基本的な店舗情報と言った方が良かったかもしれませんが、どんなお客様に利用してもらえるお店なのかを記載しておくと、お客様にもお店側にもメリットがあります。
例えば、食べログやぐるなびの店舗情報の欄のように、禁煙であるとか、ソファーでくつろげるとか、個室があるか、お子様は何歳以上から入店OKなのか、にぎやかな宴会が合う店なのか、静かな大人の雰囲気の店なのかなど、お客様とお店のミスマッチをあらかじめ防げると、それだけでリピート率が自然と上がります。
大切なデートや接待で子供が隣で騒いでいたら、お客様同士も気まずくなりますし、双方が不快な気分になってしまいますよね。おすすめの利用シチュエーションや、お店のコンセプトの部分で伝えきれなかった情報をまとめて一覧で見れるように記載しておくとお客様にとって便利だと思います。
経営者やシェフのプロフィール
プロフィールに関しては少しお店のコンセプトとかぶってしまうかもしれませんが、特筆できることがあれば記載した方がいいですね。
とくに資格や受賞歴があるわけでなければ、人柄を表すようなちょっとした趣味などでもいいかもしれません。要は「お店の人の顔が見える」ということがポイントになっているので、どんな人が経営してるのか、不安を取り除いてあげて安心感を与えることができれば良いと思います。