個人で飲食店を経営していると、日常業務が忙しくてきちんとした日報をつけているお店は少ないですよね。
私の考えでは、販促や経営改善を悩む経営者は、データ収集が必要不可欠だと思っています。
なぜならデータがなければ何事も「なんとなく」「他のお店がやってるから」という理由で経営をしてしまいがちだからです。
今回は、売上金額以外にもお客様の連絡先や売上構成のデータを取って活用した寿司屋の販促方法の一つをご紹介します。
実際に顧客情報や売上構成などを基に販促を行い、低迷期から売上を最大270%まで伸ばしたそうです。
【感謝企画】売上データを基にしたオールスターコース
マーケティングで利用される「ランキング効果」を活かした販促です。
よくあるケースでは、メニューブックに「当店1番人気!」と書いて、利益率の高いメニューや売り出したいメニューなどの注文を多く取るやり方があります。
今回の方法はお店側の出したいメニューではなく、実際に集計をとって、本当に人気のあるメニューのみで構成したコース料理を提供します。やはりこういったマジメな経営は顧客満足度を高めますよね。
(※プラスアルファでお店の新作メニューのお披露目などをしても良いと思います)
告知方法
この販促は顧客向けです。日常的にお客様から住所やメールアドレスを聞き、ダイレクトメールやメールマガジンを配信します。
その他、「ライン@」「Facebook」などコミュニティグループを作成できるSNSを利用します。積極的にお客様にフォローを促せるよう、店内にQRコードや案内を準備しておきます。
あくまで「感謝祭」という趣旨で、常連のお客様のために良い食材をたくさん仕入れたと思ってもらえるようにアナウンスします。
この販促を定期的に行えば、お店の看板メニューもお客様に認識してもらいやすくなり、ブランディングにも役立ちます。
ダイレクトメールはコストがかかりますが、ターゲットのお客様層によっては効果が期待できるマーケティングなんですね。この辺りはお店の狙う客層を考えて、どの媒体に力を入れるか柔軟に対応しましょう。
効果を上げるためのポイント
【とにかく地道に個人情報と売上データを取り続けます】
メールマガジンやSNSの販促効果は会員やフォロワーが1000人単位になると、実感を得やすくなります。
業態にもよりますが、回転を狙えない飲食店であれば、20席前後の店舗だと月の来客は数百人くらいですよね。その条件で会員やフォロワーが1000人を超えるには数年かかるかもしれませんが、地道に続けているお店は結果を出しています。
ほとんどのお店が、効果を実感できずに途中であきらめてしまいますが、周囲の人と同じ感覚であきらめるのではなく、シンプルにあきらめずに信じて継続していくと、いつか壁を乗り越えた感覚を得られると思います。
新しいSNSがどんどん登場しますが、軸となるSNSを決め、出来る範囲で新しいものも並行して取り組んでいきましょう。
【価格を安くする必要はない】
感謝企画だと価格設定を安くしてお客様に利益を還元するイメージを持つ人がいますが、安くしなくても特別感を演出すれば大丈夫です。
内容の決まっている(お店側が決めた)コース料理の予約を取ってもらえれば、豪華な食材を仕入れてもロスする心配がありませんし、安く提供するというよりは、いつもよりプラスアルファのサービスをして喜んでもらう工夫をします。
この販促は特別感を演出するため、ある程度の期間を空けて実施することをおすすめします。