4つのメリットがある【飲食店の料理教室】

野菜を切る画像

販促活動というのは広い意味で「お店を知ってもらう機会を作り、そこで魅力を伝えること」だと考えています。

小さな個人経営の飲食店が、割引きやクーポン券に頼らないで集客する方法として、「料理教室の開催」を取り上げてみます。

料理をメインにしたレストラン業態だと取り入れやすいと思いますが、カフェなどの軽食や、普段なかなか作る機会がないスイーツなどでも効果があると思います。

飲食店が料理教室を開催するメリットとデメリット

飲食店が料理教室を開催するメリット

最近はけっこう料理教室を開催する個人経営の飲食店が増えているように感じます。背景はやはり売上減少の挽回が通常営業だけでは難しいと判断する経営者の方が増えたからだと思います。

まずは料理教室を開催すると、どんなメリットがあるのか考えてみます。

  • 通常営業の利益以外にプラスアルファの収入が得られる
  • 料理教室の話題で認知度を高められる
  • 新たなコミュニティと接点を持てる
  • 体験することでコアな固定客になる

通常の利益以外にプラスアルファの収入が得られる

参加費3000円で15人集めた場合は45000円の売上です。平日が定休日のお店なら、その日のランチにあてるのが一番だと思いますが、店舗周辺のエリアの特徴を考慮したり、日曜休みのお店なら日曜開催でも良いと思います。

単純に料理教室の売上だけ考えると大した金額にはなりませんが、さりげなくドレッシングなどお土産の物販につなげたり、調理後のお食事タイムに別料金でお酒を飲めるようにしたりするのも一つの手段だと思います。

もちろん、実際にお客様として来店したことがない参加者が料理教室でお店を好きになったら、その日に自分が作った以外の料理を食べに来たいと思って集客にもつながりますよね。そういった売上も増えます。

料理教室の話題で認知度を高められる

定期的に開催して季節やイベントに合わせた料理や内容を企画すれば、単純な値引きやドリンクサービス券などよりもお客様に喜んでもらえる集客活動となります。

実際に料理教室の満足度が高ければ口コミにつながりやすく、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSでも話題に取り上げられやすくなりますので、とくに地域密着型の経営をされている飲食店なら、集客や拡散効果があると思います。

新たなコミュニティと接点を持てる

「今日はどこで食事をしようかな?」というアンテナを張った人にしか認知されなかったはずの飲食店が、今までとは違った入り口(視点)でお店を知ってもらえることで見込み客の分母が増えます。

具体的に例えると、「外食が趣味」といった食道楽の人以外に、「料理を覚えたい」という料理好きな人や、「地域のコミュニティに参加したい」という意識を持った人などから、お店を知ってもらえる可能性が高まります。

いろんなタイプのコミュニティ(仲間)との接点を作っておけば、そこから自然とお客様につながるようになると思います。

体験にすることでコアな固定客になる

一般のお客さんは知ることがない厨房の様子を見れたり、お店のレシピ、技術などを習得する体験は非日常的で、そう何度も経験することではないので、記憶に残りやすいです。

シェフがデモンストレーションで作るところを見せるだけでなく、実際に参加して料理を自分たちで作れるような体制の料理教室であれば、なおさらその記憶は強く残ります。

家に帰って美味しい料理を再現した際に家族にもお店の存在が広まります。参加者の腕が上がれば、その人の周囲の知人や友人にも自慢話感覚で広めたくなりますよね。

飲食店における失客の原因を調べたデータがありましたが、第一位が「なんとなく忘れ去られていた」ことでした。それを考えると料理教室の参加者はコアな固定客になってくれるのではないでしょうか。

飲食店が料理教室を開催するデメリット

反対にデメリット(不安要素)も確認しておきましょう。

  • 実力がない場合は客が離れる
  • 開催の事前準備が大変
  • 同じメンバーでマンネリ化する可能性もある

実力がない場合は客が離れる

そこまで高級店で修業したことがないというシェフにありがちな思考ですが、これはある意味仕方ないというか、お店のレベルに合ったお客さんが残ればいいだけの話で、あまり考えても仕方ないと思います。

自信がない場合は、初心者限定の料理教室にすれば問題ないですね。

開催の事前準備が大変

スタッフが少ないお店の場合は、休日返上で料理教室を開催するのはキツイかもしれませんが、「これ以上休日を減らすのはしんどいな…。」と思ったら統計を出して一番集客できない曜日のランチの日時に開催するのが良いと思います。

どんな集客方法においても言えることですが、経営してる自分たちが苦しいと思ったら、その時点で結果的にプラスの効果が出ることはないので、出来る範囲のメニューなり金額の設定をすることをおすすめします。

同じメンバーでマンネリ化する可能性がある

これは実際に開催しているお店のオーナーさんから聞いた話ですが、新たなコミュニティや見込み客とつながるために料理教室を開催しているはずなのに、いつも同じメンバーで満員になってしまって、そこから全く広がりがなくなってしまっている状況に陥ってしまったらしいです。

料理教室自体はあまり利益が出ない価格設定なので、お店の口コミや拡散が望めないと、スタッフが疲弊してしまうだけのイベントになってしまいます。

それだけ人気の教室ならば、思いっ切って売上につなげるために、初回限定特典として初めての人を優遇したり、もしくは通常の営業時にたくさん通ってくれてる常連客の為のサービス企画としての料理教室に変更するなど、何かしらの対応をおすすめします。

まとめ

僕の知り合いのカジュアルフレンチは月一回の料理教室はいつも定員いっぱいになって人気を博しています。

人に教えることによって自分の技術のクオリティや必要性を再認識できるいい機会にもなりますよね。料理教室自体で利益があまり出なくても、アウトプットすることの重要性を感じられると思います。

きちんと売上につなげるための作戦も考えながら楽しんで続けられるのがベストですね。