サプライズで喜ばせて口コミを狙う【お土産販促】

飲食店の集客用販促アイデア17

最近、5年続いていた知人のお店が閉店してしまいました。このお店の地域は毎月のように飲食店が新規出店していて、月一回の新店巡りでは追い付かないくらいの飽和状態なのですが、その分閉店しているお店があるってことなんですよね。

お気に入りの小さな飲食店って「心の拠り所」になっていたりするので、本当に寂しいです。

…ということで、今日も個人経営の飲食店が生き残る販促を考えていきたいと思います。

販促にお土産を渡す

大手チェーン居酒屋の場合

数年前にお土産に「味噌」を渡す居酒屋の販促が話題になったことがありました。

帰り際に追いかけてきてお土産(味噌)をくれる販促です。味噌の入れ物の容器を保管して次の来店時に持って行けば、また味噌をお土産で持って帰れるというシステムです。「容器が空になったら、また持って来て下さいね!」と言えば、確かに一定のお客様は戻って来てくれると思います。

ただ、この販促はけっこう資金が必要です。捨てたらもったいないような、しっかり保管しておきたくなる容器を仕入れるのは意外とお金がかかります。もちろん回収して再利用出来ない可能性はすごく高いと思います。

この販促を行っていたのは大手チェーン居酒屋なので、費用対効果が見込めていたのでしょうが、小さな個人店が真似する時は、ちゃんと計算しないとただの出費になってしまう可能性もあります。

個人経営の小さな飲食店の場合

小さなお店がやり方をそのまま真似すると、赤字の販促になる可能性が高いので、このアイデアに一工夫するなら、ポイントをきちんと絞ると良いと思います。提案としては以下のようなポイントでしょうか。

  • 常連さんのみのサービス(限定性)
  • 提供量は少量にする(希少性)
  • 時期にあったもの(季節イベント性)
  • 容器にこだわる(話題性)

常連さんのみのサービス(限定性)

お土産を渡す相手を限定すれば、お土産の「モノ」自体の価値よりも、特別感を提供すること自体に価値が生まれます。

いつも利用してくれているからこその感謝の気持ちを、「お土産」に置き換えているだけだとお客様に感じてもらえれば、それで十分効果が現れると思います。

提供料は少量にする(希少性)

提供するものは特別に希少性があるものでなくてもいいのですが、当然ながらそこに相手を思う気持ちが含まれているかどうかで反応は変わってきます。

お土産の本質は、しつこいですが「気持ち」ですので、ありきたりのモノを渡してもあまり喜んでもらえないと思います。

個人店であれば自家製で手間がかかったり、一度にあまり作り置きできないものや、季節モノ、珍しいモノなどを常連さんたちに少ししかないものを、さらに「少しづつお裾分けしている」程度の感覚が、ちょうど良いのかな?と思います。

時期にあったもの(季節イベント性)

季節に合ったものなら、自家製などの仕込みや準備が大変なモノでなくても、気軽に用意して気軽に渡せるメリットがあります。

ハロウィンならパンプキン味のお菓子、クリスマスやバレンタインの時期にはチョコレート。お土産ではないですが、お正月には子供にお年玉(お食事券)をあげても喜んでもらえると思います。

ちょっとした気遣いが出来るお店だという印象を与えられます。

容器にこだわる(話題性)

どんなモノでもそのまま丸裸で渡すわけにはいかないので、容器なり包装紙なり何かに入れて渡すと思いますが、せっかくなので見た目にもこだわりましょう。

女性客が多いお店なら包装がかわいいと喜んでもらえると思います。偏った見方かもしれませんが、男性よりも女性の方がプレゼント交換をする機会が多いと思います。そこで意外と男性経営者が気が付かないのが包装なんですよね。ここを抑えるとプラスの印象を与えられます。

お店の客層にもよりますが、参考程度に覚えておいてほしいと思います。

見た目がかわいければ、それだけで写真に撮ったりして、友達や知人にSNSや口コミで広めてくれる人は一定数います。最近の言葉で言えば「インスタ映え」するかどうか?という感じですが、インスタとか関係なく女性に喜ばれることに注力することは良いことだと思います。

お土産販促の本質

プレゼントで販促

僕自身がサービスを受けて感じた「飲食店のお土産販促についての感想」です。実は最近ブラリと立ち寄った居酒屋さんでお土産をもらったんです。調べて行ったお店ではなく、お土産をもらえるとは思っていなかったので、少し驚きました。

中身の見えない袋に色々なモノが入っているらしく、自分で選べる仕組みです。僕の選んだ袋の中身は何かと言うと「スープの素」でした。

お土産自体はサプライズで嬉しかったのですが、業務用で手に入りにくいモノでもなんでもなく、近所のスーパーで普通に買えるインスタント食材をお土産に渡されたら、「あれ?さっきお店で食べた料理も出来合いの材料だったのかな?」と思ってしまいました。

実際はちゃんとした食材だったのですが、わからない人には誤解を招くと思います。「販促でお客様に喜んでもらおう」という気持ちはあったと思いますが、受け取った人の気持ちまでは考えてなかったのかな?と感じました。

一方で、この話を知人にすると、「小さな子供二人連れでお寿司屋さんに入ったとき、お子様セット(おもちゃ付き)を一人分しか注文しなかったのに、帰り際に若いアルバイトスタッフが気を利かせておもちゃを2つくれて家族全員嬉しい気持ちになった。」という話をされました。

おもちゃをもらえなかった子供がグズリだしたのを見て、責任者に確認せずにその場の自分の判断でアルバイトスタッフがおもちゃを2つくれたので、親はそのスタッフの対応力に感心したんですね。

もちろん最初からそういうケースを想定してマニュアルがあったり、教育されていたのかもしれませんが、それはそれで良いお店だなと思いました。

結果的に「お土産」自体よりも「行為」や「気持ち」について色々と考えさせられました。この体験は他の人にも口コミで広がると思います。実際に僕も世間話でこの話題を出しましたし。

まとめ

お土産の本質として、「モノ」自体に価値があるケースは稀です。ほとんどの場合は「渡す相手のことを想っている気持ち」に価値があります。旅行のお土産だって「旅行中に自分のことを思い出してくれていたこと」が嬉しいわけですからね。そのことを忘れずに販促に活用しましょう。