よくある飲食店経営者の勘違い

おいしそうな料理の写真

料理写真

おいしい料理を提供してもお客さんは来ない

飲食店経営者が陥りやすいのが「おいしい料理を提供すれば自然とお客さんは来てくれるようになる」という誤解です。

そのままの考え方でいくと、ジリ貧で経営が立ちいかなくなるケースです。

昔は「おいしい」だけで飲食店が繁盛する時代があったかもしれませんが、飲食店が飽和状態の現在は「おいしい」と言えるレストランや居酒屋、飲食店はいくらでもあります。選びきれないほどです。

昔に比べて経済が豊かになったので、この10年くらいで「おいしい」の評価には多様性が生まれています。

誰がどんな時に食べる食事なのか。どのような料理を「おいしい」と感じるのか、ということを考えなければいけなくなりました。

お店側とお客様側のおいしいと思う料理の違い

味覚の違い

まず一つ目に、常に料理や食材と向き合っている料理人の味覚と、たまにしか外食しないお客さんの味覚が違うのは想像にむずかしくないと思います。

どんなに食材にこだわったとしても、お客さんに理解してもらえないほど微妙な差であれば、その分お客さんが理解できるものにコストを費やした方がお客さんも喜ぶはずです。

その食材の微妙な差をお店の「売り」にしたい場合は、それだけグルメな人が集まる商圏に立地しているか、ごくわずかなお客さんだけで商売が成り立つようにあらかじめ店舗設計されている必要があります。

利用頻度の違い

二つ目に、日常食なのかハレの日(記念日など特別な日)の食事なのかの違いです。

毎日食べる日常食なら濃い味付けは控えて素材の味を活かすような料理がおいしく感じられるでしょうし、年に一度しか利用しないようなレストランでの食事であれば、素朴な味よりもふだん家庭では食べないインパクトのある味付けの方がおいしく感じられます。

提供する料理のおいしさというのは、その飲食店の利用頻度、利用目的には密接な関係があります。

値段感覚の違い

三つ目に、価格による期待感の違いです。

当然価格が高ければ食べる前から「おいしい」だろうという期待値は高まります。逆も同じです。先入観とギャップによって人が感じる「おいしさ」は変わってきます。

例えばお店のスタッフ(とくに料理人)が、研修も兼ねて他店のリサーチに行くと、味や調理法ばかり気にして料理の価格やそれに伴うコスト(家賃や人件費)まで意識している人が少ないように思います。

「おいしい」、「おいしくない」の判断基準の中には「この価格の割に」という概念が無意識のうちに混ざっていることを覚えておきましょう。

料理を専門職にしている(他店のリサーチも勉強代の)人と一般人の料理に対する金銭感覚にも違いがあるということも意識する必要があります。

繁盛店の経営ルール

経営者(お店側)目線とお客さん目線の違いを意識しましょう。