季節限定メニューを作る理由は2つある

レストランメニュー

1月は「お正月」「お年玉」「新年会」「成人式」など色々と販促企画を考えやすいイベントがありますよね。

「2月の販促は何があるだろう?」

毎月のように販促アイデアに悩んでいる経営者さんは、飲食店とは関係ないと思われるかもしれませんが、デパートや量販店などをフラッと覗きにいくと良いですよ。

いつでも店頭付近で季節モノの販促をやっているので、応用できるものを自分のお店に取り込みましょう。

ちなみに2月は飲食店だと業態にもよりますが、デザートに特別なフォンダンショコラなどを用意した「バレンタインディナー」が反応取れておすすめです。サービスとしてちょっとしたものを無料プレゼントでも良いでしょうし、豪華なデザートを用意して高単価を狙うのも良いと思います。

さて、本題のタイトルの季節限定メニューを作る2つの理由に入ります。

今お話した「バレンタインディナー」について、「フォンダンショコラくらいで集客出来たら誰も苦労しないよ!」と思われた方に向けてお話しますね。

季節限定メニューは商品力で集客できるわけではない

けっこう勘違いされている方が多いと思いますが、「フォンダンショコラ」で集客は確かにむずかしいと思います。

正確に言うと、季節限定メニューは新規客を集客するアプローチではなく、基本的にはリピーターの再来店を促すための販促です。

メニューブックに載せるだけ、ホームページに載せるだけ、ブログやSNSでつぶやくだけでは、たぶんお客様は来ないでしょう。

では、どうすればいいのか?

季節限定メニューを作る1つ目の理由

「商品力に頼って集客する」という考えを捨てて、普段から来店してくれるお客様に向けて、話のフック(きっかけ)にしてコミュニケーションを取るために利用しましょう。

2月になると、大手企業の広告のおかげもあって、みんなの頭の中に「バレンタインの季節」というイメージが浮かびます。

その状態のお客様に「今年は(も)バレンタインデーにこんな事をやってるのでよかったら来てください。」と来店する理由を提供します。

(基本的にお酒や食事が好きな人は、外食するための理由(いいわけ)を探しています。今月食べ過ぎたり飲み過ぎたりした理由を。)

具体的に来店する理由(動機)を提供するとはどういうことか説明します。

例えばお客様のお店の帰り際、もしくは普段から情報発信しているSNSなどでコミュニケーションを取った場合、AとBのケースではどちらが来店しやすいでしょうか?

A「○○(お客)さん、またお待ちしていますね!」

B「○○(お客)さん、今月バレンタインで普段は作らない特別なデザートを用意しているので、ぜひ食べに来てください!」

きっとBの方が確率が高いと思います。(フレンチや洋食、バーなどでは実際に反応を取れています。)

商品の魅力ではなく、顧客心理的に「普段やらないことを頑張っているので応えてあげたい。」という気持ちや、「一年に一回なら(特別)なら行こうかな?」という気持ちになるからです。

このときにお客様の頭の中にあるのは「デザート」のこと自体ではなく、「気持ちに応えてあげたい」という想いや、「特別、限定」という魅力的なキーワードです。

ただ、なんとなくメニューブックやホームページ、ブログ、SNSに掲載するだけのバレンタイン限定メニュー(フォンダンショコラ)は単なるメニューの1つとしてしかお客様には認識されません。(というより、ほとんど目につきません。)

これをスタッフやオーナーさんが「特別な価値のあるもの」としてお客様とコミュニケーションを取って初めて集客のための販促として成り立ちます。

違いがわかりますでしょうか?季節限定メニューを作る1つ目の理由は「お客様の心を掴むためのきっかけ」であり、「特別な価値のあるもの」だというコミュニケーションを取って初めて意味があります。

バレンタインチョコの画像

季節限定メニューを作る2つ目の理由

もう1つの理由は以前書いた記事「リピーターがお店に来なくなる理由第1位はコレです」と少し重複しますが、お客様に継続してお店に通ってもらうために、定期的な情報発信が必要ということです。失客対策です。

繰り返しますね。前述の1つ目の理由が「心を掴むきっかけ作り」で、2つ目の理由は「失客を防ぐため」です。

飲食店のお客様を3つのタイプ(「新規客」「何度か来店したことがある客」「常連客」)に分けて考えたとき、心を掴むきっかけ作りは「何度か来店したことがある客」に向けて、失客を防ぐためというのは「常連客」に向けてです。

なぜ「季節限定メニュー」が定期的に情報発信に向いているのか。

メリットをいくつか挙げてみます。

  • 何年も経営していくと「この季節はあのお店を思い出す」というポジションを取りやすくなる
  • 世の中の動きや四季と関連性を持つことでお客様の耳にスッと届きやすくなる
  • 一年に一度しか味わえないという時間的感覚が(限定感含め)程良い

「メニューブックに載せるだけ、ホームページに載せるだけ、ブログやSNSでつぶやくだけでは、たぶんお客様は来ないでしょう。」と言いましたが、先程も言ったように新規客の集客には向いていないと思います。

ただ、これらの情報発信で常連客の失客対策としての効果があるので、結果的には売上に繋がります。

最後に

仮にその年の季節限定メニューの売上が思わしくなかったとしても、何年も同じ場所で長く経営を続けていくなら、今後に向けてこういった地味な対策を地道にコツコツ繰り返していくことが、一番確実に経営を軌道に乗せる方法だと思います。