接客中に心を掴むしかけをつくる

テーブルのグラスに水を注いでいる画像

数年前、あるチェーン居酒屋の接客サービスがお客様の心を掴むと話題になったことがありました。「お客様のお皿に残った少しの料理を再アレンジして(もちろん無料で)新たに盛り付け直す」というサービスです。

10年くらい前までは、どこの飲食店でもどれだけ効率良くスピーディな仕事をこなせるか、ということに焦点を当てていたのに、ここ数年は効率化がビジネスの肝であるチェーン店まで「あえてひと手間かける」という手法で顧客満足度とリピーター獲得の方向にシフトしています。

これは小さな飲食店にとって強みを最大限に生かせる時代になってきたということですよね。

チェーン店にはできなくても、個人経営の小さな飲食店ならできるオリジナルのサービスはたくさんあると思います。

特別にコストや時間のかかることをやろうとすると負担が増してしまいますので、簡単な「ひと手間」というのがポイントです。

当然のことながら、スタッフの抱える仕事が増えれば、お店側が疲弊したり、お客様を待たせて逆に不満を抱かせる危険性もあります、重要なのは優先順位をつけて、できる範囲内で可能な接客サービスを心がけるということです。

具体的な接客のポイント

スタッフの人数が数名の小さな個人経営店レストランをイメージして話をしますが、もちろんサービススタッフが一人多いだけでも、可能な接客サービスは全く変わってきますので、自分のお店に置き換えて参考にしてみて下さい。

席へ案内する際

店舗スペースの問題がありますが、コートなどの上着、傘、大きな荷物など、テーブル席に置くには邪魔になるものを預かるなど。

ただ、預かり物は盗難や紛失がないように注意が必要になるので、ランチタイムは預からずにディナータイムのみのサービスにするなど検討しても良いかもしれません。

あとは雨の日にタオルを渡したり、スカートのお客様にひざ掛けを用意したり、そのあたりはお店の雰囲気もあると思いますので、柔軟な対応ができればOKですね。

席への案内はスタッフとお客様の対面でのファーストコンタクトです。お店の規模が小さく、荷物を預かれない場合でも、ここで何かしらアクションを起こして、配慮のあるお店だと感じてもらえる工夫をしましょう。

テーブルのセッティング

テーブルにあらかじめセッティングしている物(カラトリーやお皿、メニューブック、グラス、おしぼりなど)を状況によって意図的に変更することで、スタッフとお客様の接触回数をある程度コントロールできます。

週末や宴会、パーティがあるときには全てあらかじめテーブルにセットしておき、極力サービス回数を減らしたり、逆に平日のディナータイムに予約の件数が少なければ、お客様が来店してからスタッフが必要な物だけを運んで、メニューなどは手渡しする。その際にメニューの話やちょっとした世間話をしたりできます。

お客様は食事が始まれば、それぞれのテーブルごとの世界に入り込んでしまうことが多いと思いますが、着席したばかりのタイミングはスタッフがお客様とコミュニケーションを取れる最高のチャンスです。なるべくこの段階でコミュニケーションを取っておきましょう。

裏メニューリスト

会話の糸口をつくるために、あえて最初からではなく、タイミングをずらして提案できる裏メニュー(隠しメニューなど)を用意してみてはいかがでしょうか。売上アップにもつながるおすすめの方法です。

フレンチレストランなどでは、ワインリストを話のきっかけにするために、あえて別に用意していることが多いですね。リストや料理などの説明を要求するお客様は、食やお酒に関心が高く、うまくコミュニケーションが取れればリピーターになってくれる確率も高いです。

いちいち料理の説明をされるのがイヤだったり、できるだけ話しかけられたくないお客様もたくさんいます。お客様がお店とコミュニケーションを取ることが好きだと判断した場合だけ、特別に提案できるようなしくみを何か用意しておくと、お客様との心の距離を一気に縮められると思います。

「実は珍しい○○が入荷したんです。よかったら○○さんに特別に…。」と言われて嬉しくない人は少ないですよね。

繁盛店の経営ルール

むやみに近づくのではなく、お客様と自然に接するしかけをつくる。