今回もレストランをベースに話しますが、テーブルサービスがあるタイプのお店では参考にしてもらえると思います。細かい部分は自分のお店のスタイルに置き換えて考えてみてください。
料理をあらかじめ予約で承っていない場合は、2パターンのお客様を意識しましょう。
- メニューを事前にネットなどで調べているお客様
- 全く考えていない状態で来店されたお客様
案内の際の注意点をそれぞれ挙げてみたいと思います。
おすすめのメニューを提案する
あらかじめメニューをリサーチしているお客様の場合
「このお店に来たらこれを食べる!」という気持ちでお客様が来店しているケースはありがたいですよね。お客様にとってもテーブル席で悩む手間がなくなるのは良いことです。
このケースでは、ほとんどの場合「看板メニュー」を注文してもらえて、お客様は来店前からすでに期待感が高まっているので、よほどイメージと違うお粗末な料理を提供しない限りは高い満足感を覚えます。
お店側としては、ちょっとした「うんちく」の一言でもお客様を喜ばせられます。
できれば普段からこの状態で来店してもらえるように集客活動をしていきましょう。ホームページやブログ、SNS、チラシなどを利用して「看板メニュー」を積極的にアピールしていくと良いと思います。
どのメニューを注文すればいいか悩んでいるお客様の場合
普段から外食に慣れているお客様は説明しなくても理解していると思いますが、まれにオーブン調理など調理時間のかかるメイン料理を始めに注文して、「この店は料理を頼んでも何十分も出てこない!」などといった不満を抱くお客様もいます。
お店にとっても、アラカルトメニューの場合は、注文のタイミングによって料理の提供時間に大きな差が出たり、味付けやボリュームなどによって「あっさり→こってり」「軽め→しっかり」など食べてもらいたい順番もあるかと思います。
このお店側とお客様側の要望のズレは、メニューを案内するホールスタッフが調理方法を把握していて説明(好みが偏っている人もいるのであくまでさりげなく)できれば、ある程度解決します。
その際に間違っても「その料理はすぐに出来ません。時間がかかります。」などマイナスなイメージの発言をせず「ご注文頂いてから○○十分かけてじっくりオーブンで焼き上げます。」など時間がかかる旨とおいしい出来たてのプラスのイメージを印象付ける言葉にしましょう。
時間がかかる料理の前に、すぐに提供できる軽めのサラダや冷菜をさりげなく「おすすめ料理」として提案できると、双方にメリットがあります。「仕方なく頼む料理」ではなく、あくまで「お店のおすすめ料理」とするところがポイントですね。
とくに日常食以外のハレの日(記念日など)の食事をメインで提供するお店では、お客様がオーダーの仕方に不慣れな場合は、接客時のスタッフの些細な気遣いが、料理の味をより一層引き立ててくれます。
おすすめの食べ方を提案する
フレンチレストランやイタリアンレストランでは、料理とワインの相性によっておすすめのマリアージュ(組み合わせ)を提案しているのをよく見かけます。コースでもワインを飲んでいれば追加でチーズをおすすめしています。
甘いデザートと一緒に苦みのあるエスプレッソや、チョコレートにバーボン、ブルーチーズピザに蜂蜜など、ちょっとクセのあるものは一度経験するとハマって病みつきになる人もいます。
料理とお酒の両方がお互いの味を引き立てるので、単品で注文するよりも一緒に注文することで高い満足感を得ることができますよね。
フレンチレストランやイタリアンレストラン以外でも、プラスアルファの提案をしているお店はけっこうあると思います。
ラーメンや鍋物のスープにご飯を追加して雑炊を提案したり、洋風であればチーズもプラスしてリゾット風にしたり。一工夫のちょっとした追加やトッピングなどで違う味を楽しんでもらうことが出来ます。
自分のお店オリジナルの食べ方を考えてみてもいいのではないでしょうか。
こういった提案はお客様にとっても印象に残りやすく、お店にとっても追加の注文を頂くチャンスなので、お互いのメリットに繋がります。けっして売り込むのではなく、おすすめの食べ方の提案というスタンスであれば、信頼関係も築きやすくなります。