飲食店業界の高齢化とヘルシー志向

野菜の写真

野菜の写真

前回「素材の味の違いがわかる人は少ないからソースやタレで訴求した方がいい」というニュアンスの話をしました。

これは素材の味を楽しめるスタイルのお店を否定しているわけではありません。むしろ個人的にはそういうお店が好きでよく利用します。

お店側がとても素材にこだわっているのに、そのわりにお客さんの反応があまりない、または来客数が少ないお店の対策という感じでとらえて下さい。

時代背景の流れ

最近ではバリバリ働いていた団塊世代がごっそり引退して高齢化社会となっているので、地域や商圏の広さによっては薄味でヘルシーな料理の方が好まれるケースもあると思います。

同じ土地でずっと営業していても、近隣のお客様はどんどん歳をとっていきます。好みや嗜好も変わります。

そこで今回は年配の方に好まれる料理やサービスを考えてみます。

高齢者の方に対しての気遣い

料理

50歳~70歳くらいの方の糖尿病患者の割合が増えているそうですが、そのためか塩分を控えるようにしている年配の方は多いように感じます。味付けの濃いメニューが多い場合はソースやタレの量を調節できると良いと思います。

ステーキなどの肉料理に関しては、若いころは脂の旨味が好きだったけど霜降りより赤身の肉を好むようになったという人は多いと思います。脂質にも抵抗感をもつようになっています。

それから四季を感じる料理は好まれます。季節限定のメニューがあれば是非おすすめしたいところです。

食べられる食事の量も少なくなって、コース料理やセットメニューが敬遠されるケースもあります。ボリュームが多いよりも上質なものを少量だけ食べたいというニーズが増えてきます。

年配者の方の世代では、出された食事を残すのが嫌いな人は意外と多いので、コースやセットがおすすめのお店ではお客さんによって量を少なくしてあげるのもいいかもしれません。

ホールスタッフのサービス

接客

色々なお店の接客サービスを体験している年配の方には、マニュアル的なサービスと相手を思いやって行うサービスの違いは見破られてしまいます。ホールのサービススタッフは、年配者の方に対してはマニュアルを守った接客よりも、特別な配慮をしてあげるくらいのサービスを心がけると良いと思います。

また、家族以外の年下の知人や目下の人を連れて来店された場合は、とくに意識してフォローできる体制を整えましょう。年配者の立場を立てられれば、他の違う知人を連れて来てくれたり、そこからどんどん紹介をもらえるチャンスも広がる可能性が高いと思います。

メニュー

おしゃれなお店ではメニューブックの文字がすごく小さいことがありますが、小さな文字が読めない人もいることを頭に入れておきましょう。

メニューブックに写真がない場合は、横文字を使ったメニュー名などをさりげなく説明してあげると喜ばれます。

フレンチやイタリアン、その他多国籍料理など料理のネーミングはわかりにくいことが多いという意識を持っていると良いと思います。

繁盛店の経営ルール

時代背景によるニーズを満たす。年配者の方には年配者の方向けのサービスを。