「おいしい」という評価は味覚だけでなく、その人の心理的な面も少なからず影響しているって知っていましたか?心理学で※ハロー効果と言われているのですが、今回はその例をいくつか紹介します。(※対象の一部、もしくは対象に関連する事象から全体を判断してしまう効果)
口コミサイトの影響力
一つ目の例は口コミサイトです。
某口コミ評価サイトは、一時期サイト側が評価点数の操作をしたと話題になっていましたが、そういったニュースを知らない人は、いまだにその口コミ評価サイトを信用してお店探しに利用していますよね。もちろん情報操作のニュースを知っていて単純にお店の情報収集に利用している人も多いと思いますが。
信頼を失った某サイトから離れた人たちは、現在は新たに実名制の口コミサイトやFacebookなどの知人、地域やグルメな人の集まりのグループなどからグルメ情報を得ています。
「多くの人が評価しているのだから、いいお店に違いない」とか、「グルメに詳しい人のオススメだから料理もおいしいはず」といった良い先入観をもって食事をしたときの評価は、実際の質以上に良いものだと判断する傾向があります。
こういった人たちが必ず一定数以上いることを頭に入れておきましょう。
有名人の影響力
二つ目の例は有名人です。
口コミサイトが「大勢の人」という括りでしたが、有名人の場合は一人でも影響力を発します。ただ、これは自分の好きな有名人に限った話になります。
例えばある飲食店で、人気の有名人が来店して一度でも食事をしたメニューがあれば、それを知った一般のお客様はそのメニューを食べてみたいと思う人は多いでしょう。とくに自分の好きな有名人がおいしいと言えば、なおさら間違いないと思ってしまいますよね。
これは心理学的にも実証されているんですが、好意をもっている人の意見はとても大きな影響を与えるということなんですね。
なので、好感度の高い有名人がCMや広告で宣伝をしていると、その商品やサービスに対しても自然と好感をもってしまう心理が働きます。
その有名人の宣伝は仕事であって、商品やサービスと実際は全く関係性がないとわかっていても、なんとなく商品やサービスに良いイメージをもってしまうんですね。
「自分の店は有名人なんか来ないし、関係ないよ。」という経営者の方にお伝えしたいのですが、この効果は飲食店経営者、オーナー自身でも利用できます。
良くも悪くも料理とその料理に関わっている人のイメージが影響してしまうことがポイントです。
飲食店オーナーができること
上の例で挙げた口コミサイトや有名人の心理効果を、飲食店経営者(オーナー)が利用すれば料理の評価はより良いものに変わります。
口コミサイトを野放しにするのではなく、「自分も積極的に関わって有効活用しましょう。」という話です。
キャラ的な問題もあるので、無理やり目立つ必要もないかと思いますが、せめて隠れてできるだけ人前に出ないようにするような消極的な態度はやめましょう。これも含めて仕事だと思います。