お酒を注文してくれるお客様が減ってしまった
近年、若者のアルコール離れが話題になっています。
「デートでも注文は食事とお水のみ。」
それから、今までたくさんお酒を飲んでいた団塊世代の現役引退も影響していますよね。
「部下を連れて飲み歩くことがなくなった。」
こんな状況では小さな個人経営の飲食店は経営が成り立ちません。
いくら美味しい料理を提供しても、駅前などの繁華街で来客の回転が見込めない限り、お酒が売れなければ、売上はすぐに頭打ちになってしまいますよね。
「もっとお酒の注文を取れるスタッフがいれば…」
…こう悩んでいる経営者の方は多いと思います。
ソムリエのようなお酒に詳しいホールスタッフがいない飲食店は、売上を伸ばすむずかしさを感じていると思います。知識があって提案力もあるスタッフは、やはり注文を取れる確率が高いもの。
ただ、小さな飲食店ではソムリエなど専門スキルを持っている人を雇う余裕まではないのが現状。そもそも経験豊富なホールスタッフ自体が少ない…。
ということで、なんとか打開策を考えてみましょう。
お酒(ドリンク)を注文してもらう方法
スタッフのマインドを変える
レストランで食事メニューとドリンクメニューがある場合、たまにドリンクメニューを全く見ないお客様がいます。
「今日は軽く食事するだけ」のつもりのお客様です。冒頭の若者も同じ感じでしょうか。
こういう場合、スタッフ側がホスピタリティとして空気を読んで「今日のお客様は食事だけの気分なんだな。ドリンクは注文しないだろうから、食事の注文だけ聞いておこう。」という認識が普通だと思われますが、この認識(考え)を改めましょう。
ドリンクを注文しないお客様には、必ず確認を取ります。
「食前酒(ノンアルコール含め)は何か召し上がりますか?」
「当店オリジナルの乾杯ドリンクがございますが、いかがですか?」
これで一定数のお客様は「じゃあ、飲もうかな」と注文してくれます。「飲んでも飲まなくてもいいんだけど、すすめてもらったから飲もうかな?」という感じです。
「飲むつもりがない人にプレッシャーを与えているみたいでイヤだな」と思う人もいるかもしれませんが、食前酒をおすすめするのは決して悪いことではありません。(常連客は例外)
ドリンクが空になったときに、次の提案をするのも同じです。
基本的には「まずは食前酒で食欲を刺激して、軽く前菜を食べ、その後にメイン料理、デザート、食後の飲み物」という流れが一番食事を楽しむことができて満足度が高い(料理の美味しさを感じやすい)。
そうスタッフが認識しているかどうかで、ドリンクのオーダー率は変わってきます。
これはレストランでもビストロでもダイニングバーでも居酒屋でも同じです。
スタッフが詳しくない分は経営者がカバーする
お酒を飲まない(飲めない)お客様は年々増えていると思います。同時にお酒を飲まないスタッフも増えています。
こういう状況でお店が対策をするならば、お酒を飲まないお客様に向けてノンアルコールメニューの充実と、お酒を飲まないスタッフでも説明や提案がしやすいラインナップやメニューブックを意識しましょう。
飲めない人にとっては、お酒の説明もむずかしいですし、提案したいとも思いません。逆にこういったスタッフでもわかるように、簡単に選べるメニューブック作りは、これから必要になってくると思います。
「スタッフがされたお客様の質問」からニーズを読み取る
ドリンクのラインナップやメニューブックは、お店のお客様のニーズに合わせていきます。
「大人数で利用」「カップルが多い」「記念日デートで利用」「家族で食事メイン」「一人で軽飲み」など、お店の特徴からお客様の質問もある程度偏ってくると思うのですね。
質問される内容には、お客様の潜在ニーズが隠れていることが多いです。
例えば…
- 誕生日に利用「食事に合うおすすめのワインはありますか?」
- 大人数で利用「あまり高くなくてみんなで飲めるのはどれですか?」
- デートで利用「ノンアルコールありますか?」
それに対し…
- お誕生日コースの料理に最適のワインはこちら
- コスパ最強の飲みやすいタイプです
- 乾杯用におすすめのノンアルコールカクテル
このように、その時に提案できるラインナップを揃えたり、もしくは現在のメニューブックの中で相応しいものに一言添えて目立たせるだけでも効果があります。
「うちはこういう店だから」というような経営者の思い込みではなく、実際にお客様から質問されたことをメモしたり、記録して改善していくと良いです。
ほとんどの経営者は「わざわざメモしなくてもわかる」と思いますが、人間はほとんど自分の都合の良い(思い込んでいる)情報しか記憶できないので、スタッフにメモさせることをおすすめします。
最後に
30代後半より上の世代で、ホール経験がほとんどないオーナーシェフのお店では、「そのままスタッフがおすすめできるように成長すればいいだけ」と、スタッフの自己責任にする考えをしているケースが多いです。